重症リンパ浮腫患者さんの治療

私どもの診療チームを受診された子宮癌治療後の患者さん(58才女性)です。他院にて、リンパ管静脈吻合術や、リンパ節切除術、脂肪吸引術を受けたのですが、治療後も症状が悪化し続け、悩んだあげくに私どもの診療チームにたどり着きました。

 

私どもはまず患者さんのリンパシンチ検査を行い、リンパ機能が座員損していることを確認した上で、治療を開始しました。まずは、これまでないがしろにされていた保存療法を科学的エビデンスに基づき再強化しました。約4週間の入院保存療法も行っております。

 

保存療法後に、各1回の局麻下LVA(リンパ管静脈吻合術)と、全身麻酔での象皮病根治術を行い、現状まで改善しました。下肢リンパ゚浮腫が改善したことで20kg近く体重も減り、それまで杖を使ってゆっくりとしか歩行はできなかったのですが、現在は杖も必要なく、小走りで動いておられます。蜂窩織炎も年間4回程度出現していたのですが、LVAにて発生を抑えることができています。約1年間で症状が改善し、ご本人もとても人生を楽しむことができております。もちろん診療を担当させていただいた私どもも患者さんと一緒に、改善をとても喜んでおります。患者さんの症状が良い方向に向かい、残りの30年近い人生をぜひ楽しんでいただきたいと考えております。全力でサポート致しますので、重症のリンパ浮腫患者さんは、ぜひ希望を持って受診してください。 モミの木診療所 三原誠