リンパ浮腫に合併する蜂窩織炎は、40度を超える発熱が生じ、患者さんのQOL(生活の質)を著しく低下させる要因でした。対症療法として、抗生物質での点滴などがありましたが、このような治療を受けても、症状が治まらず、蜂窩織炎が年に10回以上頻発する患者さんもおられました。
リンパ管静脈吻合術(LVA)は、この蜂窩織炎の発生頻度を約1/8まで低下させることが解ってきました。
私どもは、蜂窩織炎に悩まれているリンパ浮腫患者さん達に、予防法としてのLVAを積極的にオススメしております。
1回の手術で全て解決するとは断言できませんが、丁寧に治療していくとほぼ100%の患者さんが症状改善しております。
※医学的なデータに基づいた治療法となります(Mihara, Hara et al. Brtish Journal of Surgery)
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医学論文は一般の患者さん達には理解しにくい部分もあることから、私どもの診療チームの蜂窩織炎対策をマンガにしました。ぜひご参照ください。
蜂窩織炎に悩むリンパ浮腫患者さんを一人でも減らすことが私どもの使命だと思っています。マンガPDF版ダウンロードはこちら。
蜂窩織炎に悩むリンパ浮腫患者さん向けに、治療解説動画を作成しております。治療法選択の参考にしてください。
浮腫部位の発赤に合わせて、突然の全身の発熱(38.5℃以上)を全身型の蜂窩織炎と診断します。
リンパ管静脈吻合術により、発生確率を約1/8に抑えることができます。私共は、科学的なデータを蓄積し、国際医学雑誌への報告を行ってきました。本研究結果では、蜂窩織炎で悩んでいる患者さんのほぼ100%がリンパ管静脈吻合術にて症状改善しております。尚、状態によっては複数回の手術が必要になる場合もあります。
陰部リンパ浮腫や、リンパ小疱、リンパ漏(皮膚や外陰部からのリンパ液の漏出)はデリケートな部分の疾患と言うこともあり、患者さんは病院などでなかなか言い出せず、放置されることが多くなっています。また、医療関係者の中でもリンパ小疱のことをよく知っている人は少なく、患者さんが相談してもなかなか解決できないこともありました。陰部リンパ小胞が合併していると、蜂窩織炎の発生頻度が増えることが解ってきました。
私たちのチームでは、科学的データを基に、根治的なアプローチで陰部リンパ浮腫、リンパ小疱の治療にあたっていますので、まずはお気軽にご相談ください。リンパ小疱、リンパ漏を放置すると、蜂窩織炎を繰り返して、リンパ浮腫の悪化をきたしやすくなりますので、早めの受診をお勧めします。
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