「LVA(リンパ管静脈吻合)手術」は医療保険の給付対象です

日帰り「LVA手術」について


LVA(リンパ管静脈吻合)手術は医療保険の給付対象となります。全身麻酔でのLVA、脂肪吸引術、象皮病根治術、リンパ節移植術は、安全性を担保するため、JR東京総合病院リンパ外科・再建外科にて入院加療を行います。三原の診察時にご相談ください。

日帰りLVA(リンパ管静脈吻合)手術とは?


局所麻酔下で行われる低侵襲で体に優しい手術です。高性能顕微鏡と世界一細い針糸を使ってリンパ管と静脈をつなぎ、リンパの流れを改善することで、むくみや蜂窩織炎、痛みなどの症状を緩和します。

手術を受けたその日のうちに帰宅できることで、ご家庭の事情やお仕事の都合で手術を諦めざるを得なかった方々にも、このたび、日帰りによる「LVA(リンパ管静脈吻合)手術」を検討していただける運びとなりました。



リンパ管静脈吻合術の治療メカニズム

治療のメカニズムを簡単に説明します。リンパ節郭清後のリンパ管内圧は、100mmHg以上に上昇すると言われています。対して正常な皮下静脈内圧は10mmhg以下です。リンパ管と静脈を直接吻合すると、リンパ管内圧と静脈圧の間で圧較差が生じ、異常に上昇したリンパ管内圧は、静脈圧近くまで降圧できると考えています。これまで行われてきた保存療法が対症療法であったのに対し、LVAはリンパ管内圧の上昇というリンパ浮腫の病態に直接働きかける、本質的な治療といえます。

 

また、しっかりとしたバイパス路が作成できた症例に関しては、術後にリンパドレナージや、弾性ストッキング着用を行う事で、これまで以上に浮腫軽減効果が出てきます。局所麻酔による低侵襲手術に進歩してきたことで、90才以上の患者さんも問題なく手術を受けています。 手術時間は2~3時間程度となります。 以下に、手術動画(英語)を掲示致します。手術創は1~2cm程度で、体の負担はとても小さな手術になります。現在では、手術前に、エコーやICG検査にて正確に静脈や、リンパ管を同定できることができるようになり、手術成績が飛躍的に向上しました。

※尚、心臓疾患(狭心症、心筋梗塞)などで日帰り手術が適切でないと判断した場合は、JR東京総合病院リンパ外科・再建外科にて入院での手術(執刀;三原誠 医師)をお勧めします。

【手術動画 和訳】

術前にインドシアニングリーン(ICG)リンパ管蛍光造影法および、皮下静脈同定装置(StatVeinTM)を用いて、リンパ管と静脈の同定を行います。その後、皮膚切開部を決定後、局所麻酔下にて手術を行います。最初に出てくる左側の白い物体は術者の人差し指です。比べてもらうとわかりますが皮膚切開は1-2cmで、皮下脂肪の中から集合リンパ管を見つけ出します。この白色透明の管がリンパ管です。続いて皮下静脈を探し出します。
リンパ管内はリンパ液で充満しており、白色を呈しています。静脈の中は血液が通っているため赤色をしております。手術用顕微鏡を用いて0.5mm前後のリンパ管と静脈を世界最小の12-0ナイロン糸を用いて吻合していきます。 糸の太さは髪の毛の10分の1程度です。4針から5針程、全周性に縫合していくことで吻合が終了します。 吻合後は、リンパ流がきちんと静脈に流れ込んでいることを確認します。 赤色の静脈は、リンパ液が流れ込むことによって白色に色が変わっていきます。最後は閉創して手術終了します。


なぜ、日帰りによる手術が可能なのでしょう?


  1. 手術時間も短く、局所麻酔下で行われる低侵襲で体に優しい手術であること  
  2. 術後の早い段階より、水分補給や食事などの経口摂取、トイレ、歩行などが可能であ ること。 
  3. (強い痛みを伴うことはありませんが)鎮痛剤や座薬などで痛みの対処ができるため、 入院しなくても痛みのコントロールが可能であること。  
  4. 術後のケアは、手術翌日にガーゼから防水テープに貼り替え、痛み止めや抗生物質の服用がメインとなり、新たな治療が必要では無いこと。

低侵襲で体への負担が小さく、術後の経過がとても穏やかでもあることから、日帰り手術に適していると言われています。

 

日帰り手術には様々なメリットがあります!



  1. 低侵襲の手術で 体に優しい
  2. 麻酔などによる術後の不快感が少ない
  3. 日常生活に戻りやすい
  4. 日常生活の延長線上で手術を受けられるので 精神的負担が軽く、生活のリズムが狂いにくい
  5. ご家庭やお仕事への復帰が早い
  6. 入院準備の必要が無い
  7. 入院に関する費用が抑えられる
  8. 入院生活などの 煩わしさが無い

手術に関する説明書はこちらを参考にしてください。手術の詳細や合併症に関して記載しております。

手術をご検討される患者様は、しっかりと検討の上、治療に臨んでください。


原科医師(顧問医)による術前外来について


術前外来では、術前検査(採血・心電図)と、手術の説明、手術室見学(※手術台に横になっていただき、当日のイメージを持っていただきます。)、リンパ浮腫の診察を1時間~1時間半ほどかけて行い、患者さん・ご家族ができるだけ安心して手術を受けていただけるように準備を整えます。この術前外来にて、安全に日帰り手術が実施できるかどうかを医学的に判断いたします。

 

原科医師、診療所スタッフはLVA(リンパ管‐静脈吻合術)に関する知識と経験を有しておりますので、質問や心配等があれば、この術前外来にて解消してください。執刀医である三原医師に質問がある場合は、スタッフで質問を承り、後日回答いたします。


尚、事前にかかりつけ医療機関にて心電図、採血を終えられている方は、術前外来時の検査は必要ありません。